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2014 年度 実施状況報告書

果肉食性昆虫と種子食性昆虫が創り出す間接効果による種子散布阻害の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26850094
研究機関筑波大学

研究代表者

高木 悦郎  筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (60718675)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード生物間相互作用 / 形質媒介間接効果 / 果肉食性昆虫 / 種子食性昆虫 / 果実食性鳥類
研究実績の概要

種子食性昆虫が樹木の更新に与える影響は限定的だとされている(Crawley 1992).しかし最近,植物の形質を介した間接効果が,直接的な2種間相互作用による予想とは,生態学的・進化学的に異なる結果を生み出すことが明らかになりつつある(Ohgushi et al. 2007).本課題では,1)袋かけによって,果肉食性昆虫による加害,寄生蜂による寄生,種子食性昆虫による加害,および鳥類による摂食を除去し,それぞれが果実を中心とした間接相互作用網に及ぼす影響を,解析的に明らかにする.さらに,2)3年にわたる期間,モチノキの分布様式が異なる複数の調査地での調査,およびSSR マーカーによる遺伝解析により,森林の空間構造が間接相互作用を通じて種子散布に与える影響を明らかにする.
本年度は,その1年目として,モチノキに対する袋かけによる操作実験,春と冬の果実のサンプリングによる果実色,種子の生死,モチノキタネオナガコバチの生残幼虫数の調査を行った.さらに,モチノキタネオナガコバチのマイクロサテライトマーカーが開発できたことで,モチノキタネオナガコバチの個体群の遺伝的構造の解明への準備ができた.
調査の過程で,新寄主の存在が明らかになったため,新寄主との相互作用も含めた系として研究を展開していく.また,近縁種の生態の一部が明らかになりつつあり,近縁種との比較を行うことで,より重層的に研究を展開していく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに操作実験と野外調査が行えている.また,新寄主や近縁種に関する新たな知見を得ることができたことから,おおむね順調に進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

モチノキの着果量と,ミバエ,寄生蜂,コバチの個体数は年によって大きく変動すると予測される.そこで計画通り,着果量の年次変動と各種の個体群動態,およびそれによって生じる各相互作用の年次変動(影響の強さの変動)を明らかにするために3年にわたって調査を行い,これまで森林生態系の機能や持続可能性に及ぼす影響はほとんどないとされてきた果肉食性昆虫と種子食性昆虫が,樹木の更新に対して予想よりも大きな負の影響を及ぼしていることを明らかにする.

次年度使用額が生じた理由

所属機関の別予算で,購入予定の機器を購入したため.
また,所属機関の機器を代替使用できたため.

次年度使用額の使用計画

予定していた調査地を増やすとともに,調査回数も増やす.
また,それによってサンプル数が増加し,必要となる消耗品も増加する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Herbivory by Strongylocoris leucocephalus (Hemiptera: Miridae) on a novel host plant Adenophora triphylla var. japonica in Japan.2014

    • 著者名/発表者名
      Takagi, E.
    • 雑誌名

      Journal of Asia-Pacific Entomology

      巻: 17 ページ: 499-503

    • DOI

      10.1016/j.aspen.2014.04.010

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考]

    • URL

      http://etsurotakagi.jimdo.com/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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