果実食性昆虫と種子食性昆虫が,果実の形質を変化させることによって,果実食性鳥類による種子散布を阻害するかを明らかにすることを目的とした.2014年からの3年間に,各地でモチノキの果実サンプリングと果実量推定を行った.また,近縁種や他の森林生態系における果実に関した間接効果を含む生物間相互作用の調査を行った. その結果,1)モチノキタネオナガコバチの近縁種であるニホンオナガコバチがクロガネモチを加害することが明らかになった.また,2)ブナの堅果量と野生動物の人里への出没が夏前までの雄花序量で推定できることが示唆された.しかし,モチノキに関する生物間相互作用は,更なる継続的な研究が必要であった.
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