本研究ではニューカレドニア島に侵入した後に,蛇紋岩土壌と乾性低木林への適応進化が共通して起きたヒノキ科2属に着目し,RNA-seq解析に基づいてそれらの種分化に関わったと考えられる適応遺伝子を特定した.その結果,2属で共通して検出された遺伝子はなかったが,本島の貧栄養土壌への適応に関係すると考えられる遺伝子がCallitris属で見つかった.また,Callitris sulcataについて集団遺伝解析を実施し,河川沿いの低地湿性林に分布する本種の集団分化には,複雑な山地地形が隔離要因として重要であったことを明らかにした.
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