研究実績の概要 |
酵母two-hybrid法を用いたスギヒラタケレクチン(PPL)と相互作用のある蛋白質の探索を行い、得られた候補タンパク質の酵母・担子菌を用いた異種発現を順次行なった。その結果、候補タンパク質の1つが、担子菌で異種発現させたrPPLと混合するとプロテアーゼ活性を有することを見出した。このことから本プロテアーゼ活性は、スギヒラタケ中に存在する微量のプロテアーゼのコンタミネーションの可能性ではないことが証明された。 また、プロテアーゼ活性試験を行っていくと、PPL単独でもプロテアーゼ活性を示すことがあり、その時のMALDI-TOF-MSの解析結果ではm/z13,000付近に夾雑タンパク質のピークが確認される。そのため、このタンパク質(PP-13000)がプロテアーゼ活性に関与している可能性が示唆された。そこでPP-13000の精製方法の確立と構造解析を行うこととした。精製にはSuperOctylを用いた逆相クロマトグラフィーを用いた。その結果PP-13000の単離に成功した。また単離したPP-13000を担子菌にて発発現させたrPPLと混合し、insulinを基質としたプロテアーゼ活性試験を行った結果、基質をN末端、C末端の両方から切断する活性を示した。更に、精製したPP-13000の 部分一次アミノ酸配列の決定に成功し、現在遺伝子クローニングを試みている。
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