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2015 年度 実績報告書

陸域由来の除草剤が藻類種間競争に及ぼす影響:除草剤は鞭毛藻赤潮発生のトリガーか?

研究課題

研究課題/領域番号 26850120
研究機関国立研究開発法人水産総合研究センター

研究代表者

隠塚 俊満  国立研究開発法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (00371972)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード珪藻 / 鞭毛藻 / プランクトン遷移 / 福山港
研究実績の概要

陸域から沿岸域に流入した除草剤が、珪藻・鞭毛藻等のプランクトンの遷移に及ぼす影響は明らかになっていない。本研究は、除草剤が珪藻と鞭毛藻の競合関係に及ぼす影響を明らかにする事を目的とし、昨年度に引き続き赤潮が発生する福山港における海水中の除草剤濃度を測定すると共に、検出された除草剤に対する珪藻および鞭毛藻の感受性の差異を検討した。昨年度に引き続き、 6から7月を中心に12回、田尻港、芦田川河口域及び芦田川河口堰上流の環境水を採取し、10種類の除草剤濃度を測定した。その結果、ブロモブチド(<30-340 ng/L)、ブロマシル(<56-134 ng)、シアナジン(<39-92 ng/L)、プレチラクロール(<15-112 ng/L)の4種が検出された。同日に採水した表層水濃度を比較した結果、何れの物質も河口堰上流の濃度が高いことから、これらの物質は河川からの流入が想定された。海水中濃度測定により、50ng/L以上の濃度で検出された除草剤4種のうち、昨年度検討していないプレチラクロールを用い、田尻港の海水および底質から分離した珪藻キートセロスおよび鞭毛藻ヘテロシグマに対する毒性を検討した。その結果、ヘテロシグマよりもキートセロスが高い感受性を示した。1Lの培養系から藻類を集めて薬剤代謝酵素の活性を測定したものの、サンプル量が少なく活性を測定するに至らなかったため、鞭毛藻ヘテロシグマ及び珪藻キートセロスを用い、対照区及びブロマシル曝露区のトランスクリプトーム解析を実施中した。次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析により得られたデータからブロマシル曝露区及び対照区における珪藻及び鞭毛藻の遺伝子発現強度を比較した。珪藻では、遺伝子の発現強度が鞭毛藻より総じて多く、また有意に発現強度が変化した遺伝子が鞭毛藻よりも多い傾向が認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 防汚物質ポリカーバメートが藻類競合関係に及ぼす影響:生長速度を指標にして2015

    • 著者名/発表者名
      隠塚俊満,中山奈津子,大久保信幸,持田和彦
    • 学会等名
      第21回日本環境毒性学会研究発表会
    • 発表場所
      東洋大学白山キャンパス(東京都・文京区)
    • 年月日
      2015-09-02 – 2015-09-02
  • [学会発表] Effect of the antifouling biocide polycarbamate on competition between marine diatoms and flagellates at different nutrient levels2015

    • 著者名/発表者名
      Onduka Toshimitsu,Nakayama Natsuko, Ohkubo Nobuyuki, Mochida Kazuhiko
    • 学会等名
      17th International Symposium on Toxicity Assessment
    • 発表場所
      Bellingham (USA)
    • 年月日
      2015-08-08 – 2015-08-08
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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