本研究では、クラゲ類などのゼラチン質動物プランクトンを食べて生活するイセエビ・セミエビ類幼生の摂餌生態にヒントを得て、クラゲ類を模倣した人工餌料の開発を試みた。原料としたクラゲ類や粘結剤の種類および濃度が異なる複数種類のゲルを作製した。これらのゲルをセミエビ科の一種であるウチワエビの幼生に与えてみた結果、幼生はいくつかのゲルを捕捉して口器に運び、大顎を左右に動かして咀嚼する行動を示した。さらに摂餌後に、幼生の中腸腺上皮細胞が中腸腺腔内を活発に流れる様子や肛門から糞粒が排泄される様子も観察された。
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