研究課題
ラミナリンは免疫賦活化能など様々な生理活性を持つ糖質である。その生理活性は、糖鎖長の違い、β-(1,6)-結合の頻度、およびそれらによる構造の違いが関与していると考えられている。しかしながらラミナリンの構造と生理活性の発現メカニズムの関連性は様々な報告があるが不明な点がある。それを明らかにするには特定の構造を持つオリゴ糖を作製してその機能性を解明することが自然免疫発現の仕組みをより詳細に解明するのに効果的な方法と考えられた。オリゴ糖作製用には水産軟体動物の酵素を用いたが、それには相同性検索やモチーフ検索では不明な機能未知の配列があり、これの生成物への影響が無いか評価することとした。本領域(AkCBM)の機能性を糖質結合能と推測し、異種発現系にてAkCBMのみを生産し機能解析した。AkCBMは大腸菌発現系により作製が可能であった。AkCBMは不溶性のβ-(1,3)-グルカンに対しては結合せず、海藻多糖である不溶性のアガーやキシランといった糖質に対して結合能を示した。しかしそれらに対する結合力は一般的なCBMの結合力と比較して弱いことからAkCBMは他の糖質に結合する可能性(真の結合糖質の存在)が示唆された。アフィニティーゲル分析により可溶性糖質に対する結合能を検討した。その結果AkCBMはウロン酸を持つアルギン酸に強く結合することからウロン酸結合型CBMであると考えられた。
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Carbohydrate Polymers
巻: March ページ: 印刷中
http://dx.doi.org/doi:10.1016/j.carbpol.2016.03.066
FEBS Journal
巻: 282 ページ: 4001-4014
10.1111/febs.13401