LC-MS/MSによるエクトインの分析法を確立し、本法によりマガキがエクトインを蓄積していることが明らかとなった。また、マガキには、細菌類には見られないエクトインの構造類縁体が複数存在していることが示された。細菌類の既知生合成酵素遺伝子がマガキから検出されなかったことから、マガキには未知のエクトイン生合成経路が存在する可能性がある。さらに、様々な海洋無脊椎動物がエクトイン類縁体を蓄積していることが明らかとなった。これらの組織蓄積量は適合物質として有意な濃度であることから、様々な海洋無脊椎動物において、エクトイン類縁体が浸透圧をはじめとしたストレス適応のために利用されていることが示唆された。
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