研究課題
生態系保全型農業に取り組んでいる農業者やその支援者等を対象に、インタビュー調査を実施した。その結果、生態系保全型農業の取り組み進展に伴って、新たな課題(生態系保全の取り組みによる生産性の低下等)が生じていること、関連農産物の販売にあたっては産地見学会や都市部での説明会、日頃からの情報発信等を通じて、流通事業者や消費者等とのネットワークを維持・拡充することが重要であること等を明らかにした。生態系保全型農業由来の農産物の流通・販売を行っている事業者等(米穀店が中心)を対象に、郵送方式のアンケート調査を実施した。その結果、農産物の取扱を開始したきっかけについては自発的なケースと農業者等から営業を受けたケースの双方が多いこと、店頭での農産物の販売にあたっては特設コーナーやPOPの設置等で積極的なPRを行っているケースが多いこと、農産物の仕入単価や販売単価は通常の商品に比べて1~3割程度高めの価格に設定しているケースが多いこと、コンセプトのみならず食味についても評価が高いこと等を明らかにした。一般消費者を対象としたインターネット調査を行った。その結果、現状では生態系保全型農業やその農産物と直接関わりのある消費者の割合は1割前後の水準にあるものの、今後の農産物の購入についてはポジティブな意向を示す消費者が多いこと、生態系保全型農業に関する情報(課題、意義・効果、推進方法)を付与することで、その意向がさらに増すこと等を明らかにした。これらの一連の調査(過年度実施分含む)を通じて、生態系保全型農業の関係者間におけるサプライチェーンならびにバリューチェーンの検証・整理を行った。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件)
Journal of Environmental Information Science
巻: Vol.44, No.5 ページ: 63,70
Papers on Environmental Information Science
巻: No.29 ページ: 89,94
フードシステム研究
巻: Vol.22, No.3 ページ: 287,292