本研究では,閉鎖性水域における水生植物を用いた水質浄化法において,適切な水生植物の管理手法を確立するための基礎的データとなる実水域における水質挙動を現地観測を基に検討した.その結果,DOの測定結果に関しては植生の繁茂によって日中の光合成によりDO量増加が抑制されること,またその抑制効果は植生の密生度が増加すると大きくなることがわかった.そして日射の無い夜間では植生部と水面部で値がほぼ同程度になることから,日サイクルの流体交換が行われていることが示唆された.また,水生植物の繁茂率と水質項目との関係を検討した結果,水質濃度は植生繁茂率と負の相関を持つことがわかった.
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