消費者の購買行動、すなわち「買う」、「買わない」と損傷との関係を明らかにするために、速度変化とピーク加速度の組み合わせが異なる様々な衝撃パルスを印加し、様々な面積の損傷を発生させたリンゴ果実を対象として、任意の損傷面積と想定販売価格との関係について検証した。 検証は、リンゴ果実の写真を用いたインターネット上のアンケート調査により行った。無傷のリンゴ果実と様々な面積の損傷を有するリンゴ果実の想定価格について、それぞれ回答してもらい、値引き幅と許容される損傷面積との関係について検証した。 その結果、損傷面積が一定以上の場合、消費者が妥当であると判断する値引き価格が一定となることが明らかとなった。さらに、同一の損傷面積を有する果実でも、1個ずつばら売りするか、複数個まとめて売るかによって、妥当と判断される値引き価格が異なることが明らかとなった。 以上の結果は、想定販売価格を考慮した青果物のための緩衝包装設計の最適化および、妥当な価格設定による廃棄ロスの削減などに貢献できる。
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