畜産の生産性を向上させるためには、慢性感染症対策が欠かせない。牛白血病ウイルスの感染を原因とする牛白血病は、現在、日本の畜産現場で最も被害が大きい慢性感染症の1つであるが、ワクチン、治療薬がなく、感染および発症を防ぐには地道な対策が必要となる。本研究では、牛白血病ウイルスの垂直感染に着目した。垂直感染は感染期間が長くなるため、牛白血病の発症との関連が疑われる。本研究の結果、400 copies/10 ngを超える牛では、有意に垂直感染の確率が高いことを明らかにした。本研究の結果、垂直感染を防ぐためには、感染ウイルス量を測定し、感染ウイルス量の多い牛を可能な限り、繁殖に用いないことが重要である。
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