研究課題
自然界でカモにより維持されているインフルエンザウイルスがニワトリへ馴化するメカニズムを明らかにするために、硫酸化糖鎖レセプターがニワトリに発現しているかを調べた。硫酸化糖鎖を特異的に認識する抗体および組換えヘマグルチニンを用いて、ニワトリの呼吸器上皮細胞での糖鎖発現を解析した結果、組換えヘマグルチニンのみが特異的に結合した。したがって、既知の抗体では認識されない構造の硫酸化糖鎖を認識していることが明らかとなった。。さらに、硫酸化糖鎖の合成に必要な硫酸化転移酵素(CHST-6)のmRNAが呼吸器上皮細胞で検出された。したがって、これまで明らかにしたフコシル化に加え、硫酸化した糖鎖がカモとニワトリの感染性の違いを規定していることが推定された。さらに、2016-2017年に国内で斃死した野鳥から分離されたH5N6高病原性鳥インフルエンザウイルスを用いて、カモとニワトリに対する病原性および遺伝子を解析した。その結果、ニワトリに対する病原性が2014年に国内で分離されたH5N8高病原性鳥インフルエンザウイルスよりも高く、カモに対する病原性は示さなかった。また、遺伝子および糖鎖結合特異性から、カモ型およびニワトリ型の糖鎖両方に結合することが明らかとなった。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件)
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