研究課題/領域番号 |
26850185
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高野 友美 北里大学, 獣医学部, 講師 (20525018)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ノロウイルス / 感染性胃腸炎 / 動物モデル / ネコ / 遺伝子型 |
研究実績の概要 |
人の感染性胃腸炎は毎年冬期に全国各地で流行が認められている。その中でも、ノロウイルス(ヒトノロウイルス)による感染性胃腸炎は年齢を問わず爆発的な流行が報告されている。現在、ヒトノロウイルスに対する予防薬および治療薬の開発が実施されているが、実用化するに至っていないのが現状である。ヒトノロウイルスに対する予防薬および治療薬を効率良く開発するためには、ヒトノロウイルスによる感染性胃腸炎を再現できる動物モデルシステムを構築する必要がある。しかし、効率良くヒトノロウイルスによる感染性胃腸炎を再現できる動物モデルシステムは少ない。本研究では、ネコが感染性胃腸炎の動物モデルとして応用できるか否かを検討した。日本国内で検出されたネコノロウイルスの遺伝子を解析したところ、従来のネコノロウイルスとは異なる遺伝子型である可能性が明らかとなった。次にネコノロウイルス遺伝子陽性の糞便乳剤をSPFネコに経口投与したところ、4頭中3頭において明らかな臨床症状が認められた。以上を踏まえると、ネコはノロウイルスによる感染性胃腸炎を再現し得る動物モデルとして応用できる可能性が強く示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに、交付申請書に記したネコノロウイルスの病原性およびネコノロウイルスの遺伝子学的性状を解析することに成功した。今後は、本研究の内容を国内外に公表する必要がある。また、新たなネコノロウイルスの存在も確認しているので、今後はこのウイルスについても同様の解析を実施する予定である。以上を踏まえると、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において、ネコノロウイルスがネコに対して起病性を持つ(感染性胃腸炎を起こす)ことが明らかとなった。しかし、今回は1種類のウイルスのみの解析結果であった。今後は、複数の種類のネコノロウイルスをネコに接種した後に病原性が認められるか否かを調べる必要がある。また、ネコノロウイルスには2種類の遺伝子型が存在することが明らかとなったので、それぞれが血清学的に交差するか否かを調べる予定である。さらに、ネコに接種したネコノロウイルスがネコ体内で変異を生じているか否かをORF2遺伝子を中心に確認する。
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