野鳥由来A型インフルエンザウイルス(島根株)を豚肺胞上皮細胞で低温条件で連続継代すると、PB2遺伝子に1箇所、PB1遺伝子に2箇所に塩基置換が起こる。これらの内、PB1遺伝子の1箇所以外は、非同義置換であった。これらのアミノ酸置換を単独又は両方導入した変異型と野生型をリバースジェネティクス法により作出した。野生型は、低温側よりも高温側での増殖能が高かったが、非同義置換を導入した変異型には、顕著な温度感受性は認められなかった。さらに、PB2及びPB1遺伝子に導入される非同義置換が、それぞれ低温側でのウイルスポリメラーゼ活性の上昇と高温側でのポリメラーゼ活性の低下を起こすことを明らかにした。
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