酪農現場では乳牛の発情・排卵障害の増加が問題となっている。本研究では、繁殖供用時期の泌乳牛における発情行動の発現状況を加速度センサーを用いた行動量の測定によって調査すると共に、ニューロキニン3受容体作動薬(Senktide)を用いた新規治療法を開発するため、ヤギへの投与を行いホルモン分泌や卵巣への影響を検証した。周排卵期の泌乳牛において目視観察で発情が観察されたのは50%であったが、加速度センサーによる発情検知率は84.6%と高く目視観察の補助手段として有用であることが示された。また、Senktideの投与は、黄体形成ホルモンのパルス状分泌を刺激し、排卵の時期を早めることが示唆された。
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