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2014 年度 実施状況報告書

犬におけるアミノ酸を用いた周術期低体温の新規予防法開発に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 26850197
研究機関岐阜大学

研究代表者

柴田 早苗  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20588917)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード犬骨格筋細胞 / アミノ酸 / インスリン
研究実績の概要

近年の研究により、周術期体温保持法としてアミノ酸輸液が有効であると報告されている。そのメカニズムとして、インスリン受容体下流に位置するAkt-mTORC1経路の活性化によるタンパク合成の亢進が考えられている。本研究では、アミノ酸輸液による周術期低体温予防効果の機序解明を最終目標とし、犬骨格筋細胞において、インスリン受容体シグナル伝達分子がアミノ酸によりどのように活性化されるかを経時的に検証した。
アミノ酸含有培地にインスリンを添加した群(アミノ酸/インスリン添加群)、アミノ酸非含有培地にインスリンを添加した群(インスリン添加群)、アミノ酸含有培地にインスリン溶媒を添加した群(アミノ酸群)およびアミノ酸非含有培地にインスリン溶媒を添加した群(コントロール群)とした。インスリン受容体シグナル伝達分子であるAkt、GSK-3、mTOR、p70S6Kおよび4E-BP1のリン酸化抗体(それぞれp-Akt、p-GSK-3、p-mTOR、p-p70S6Kおよびp-4E-BP1)を用いてウエスタンブロッティングを実施した。
アミノ酸/インスリン添加群においてはp-Akt、p-GSK-3、p-mTORおよびp-p70S6K、インスリン添加群においてはp-Akt、p-GSK-3、p-p70S6Kの発現量が上昇した。アミノ酸群において発現量に有意差は認められなかった。また、アミノ酸/インスリン添加群にてp-mTOR、p-p70S6Kおよびp-GSK-3の発現量が最高値を示したことから、犬骨格筋細胞において、アミノ酸とインスリンがmTOR、p70S6KおよびGSK-3を相乗的に活性化したと考えられる。また、各群の経時的変化を分子ごとに比較したところ、p-p70S6Kでは30分後が発現量のピークとなり、その後やや減少していた。p-Aktおよびp-GSK-3においても同様の傾向がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インスリン存在下でのアミノ酸による犬骨格筋細胞の変化について、ウエスタンブロッティングを用いて検証することができたことから、おおむね順調に進展していると考えた。

今後の研究の推進方策

インスリン存在下でのアミノ酸による犬骨格筋細胞の変化について、より詳細に検証するため、シグナル伝達分子の活性化を阻害する薬剤を用いて研究を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の納品額が当初の予想よりも安くなったため、次年度使用額が生じてしまった。

次年度使用額の使用計画

今年度に物品費として、消耗品の購入に充てる予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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