麻酔下の犬にアミノ酸輸液すると、インスリン分泌が亢進するとともに、麻酔中の体温低下が軽減した。インスリン分泌を抑制した犬にアミノ酸輸液を実施すると、麻酔中の体温低下軽減効果が減弱したことから、アミノ酸輸液の体温低下軽減効果には、インスリンが関与していると考えられた。また、アミノ酸輸液によって肝臓および骨格筋においてAkt-mTOR経路の活性化が認められ、肝臓ではインスリン介在性に、骨格筋では非介在性にAkt-mTOR経路が活性化されることが示唆された。予定手術症例にアミノ酸輸液を実施したところ、その効果は限定的であり、周術期低体温軽減効果は十分ではなかった。
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