本研究ではなぜツキノワグマは冬眠中に骨格筋の萎縮がほとんど生じないのかを明らかにするため、骨格筋における筋タンパク・アミノ酸分解に関わる遺伝子発現変化を解析するとともに、メタボローム解析を用いて代謝プロファイルの比較を行った。この結果、冬眠中の骨格筋ではアミノ酸分解や筋タンパク分解に関わる酵素群の遺伝子発現が低下していることが明らかとなった。また冬眠中では必須・非必須アミノ酸ともに骨格筋中の濃度が上昇していた。このように冬眠中の骨格筋では筋タンパク分解・アミノ酸異化を防ぐ機構が働いていることが明らかとなった。
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