トランスグルタミナーゼ(TG)は蛋白質の架橋結合形成酵素であり、生体内ではTG1~7までと血液凝固第13因子の8種類の存在が知られている。各TGは特定の組織に発現し特定の機能を果たす酵素であるが、中でもTG2は全身に広く分布する多機能酵素であり、これまでの研究において神経変性疾患への関与が指摘されている。本研究では、グリア細胞でのTG2の発現変化と細胞機能との関連を検討した結果、活性化したグリア細胞ではTG2の発現とTG活性の上昇が見られることが明らかとなり、グリア細胞の主要な機能である一酸化窒素の産生や死細胞等の異物の貪食に、TG2発現あるいはTG活性が関与する可能性が示唆された。
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