哺乳類の胚発生は母体の子宮内で進行することから、胚発生における母体組織の役割を理解することが必要である。本研究は、これまで遺伝学・分子生物学的解析による知見を踏まえた、新たなマウス胚発生の形態学的アトラスの再構築を試み、マウス胚初期発生の解明につながる基礎データの獲得することを目的とした。そこで着床期を含む発生ステージにおけるマウス胚および子宮組織の形態学的解析ならびに免疫組織化学などの発現・局在解析により、胚と母体組織との形態的な相互関係を解析した。特に、着床が起こる胎齢4.5日における胚並びに子宮組織のダイナミックな形態変化により胚が子宮組織に取り込まれる様子を詳細に観察した。
|