オモクローム色素は、様々な昆虫で赤・紫・茶などの体色を生み出し、複眼の遮蔽色素としても広く分布している、昆虫の主要な色素である。本研究では、オモクローム色素の生合成経路の後半のブラックボックスの解明のため、カイコの卵色変異体を解析した。その結果、淡赤眼白卵変異体peについては原因遺伝子cardinalの同定に成功し、色素の解析から、cardinal遺伝子はこれまでの想定以上に多様な種類のオモクローム色素の合成に関与していることが示された。褐卵変異体b-2(第二褐卵)、b-4(第四褐卵)、b-t(辻田褐卵)については、ゲノム上の責任領域を絞り込み、b-4とb-tについては新たな形質を見出した。
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