野生生物との共生を含めた生物多様性の保全を実現するための社会的枠組みにおいて、生物多様性を質的・面的に評価することが重要である。そこで本研究では、北海道江別市を対象として、森林を利用する鳥類の生物多様性の維持機構を解明するために、ICレコーダーを用いた音声解析により鳥類の種組成を把握し、生物多様性の階層性、生物多様性と景観との関連性を評価した。その結果、32箇所のパッチ(120調査地点)で47種の鳥類が確認された。生物多様性の階層性や景観との関連を分析した結果から、江別市における鳥類の生物多様性は景観の不均質性より野幌森林公園という大きな面積の森林により支えられていることが明らかになった。
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