茨城県つくば市にある国立環境研究所構内の実験水田において、殺虫剤成分であるフィプロニル、イミダクロプリドの育苗箱施用剤の施用区、及び無処理区を設定し、定期的にトンボ類を含む水田を利用する各種生物の発生状況(各種ヤゴ密度、成虫羽化殻数等)、物理環境測定(水温、pH、濁度、及び溶存酸素)、及び水中・土壌中農薬濃度の推移について調査をおこない、フィプロニル、及びイミダクロプリドの箱苗施用剤処理とトンボ類発生状況との間にみられる関係について重要な知見を得た。なお、調査地付近においてアキアカネ、及びシオカラトンボが生息し、使用した全ての実験水田に産卵していたことを、事前に確認している。 また、茨城県つくば市近郊における水田地域において、水田利用性トンボの利用ハビタット調査を定期的におこない、ヤゴ見取り法、ヤゴすくい捕り法、及び羽化殻サンプリングにより、水田毎の発生トンボ相、及びそれぞれの種の大まかな発生量について把握した。また、調査水田の水および土壌を農薬濃度測定用サンプルとして採取した。加えて、周辺環境を含めたトンボ類成虫の見取り調査、及び捕獲調査を定期的におこない、調査水田に生息しうるトンボ相と調査水田に生息するヤゴ相との対応関係について確認した。加えて,トンボ孵化若虫における各種殺虫剤の急性毒性試験をおこなった。 現在,上記内容についての解析を終え,結果報告論文を執筆しているところである。
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