リンカーヒストンH1はDNAに直接結合し、細胞種や組織特異的にクロマチン構造を制御、安定化する。本研究では、哺乳類において10種類存在するH1バリアント内の一つであるH1TがrDNA領域を標的としその転写制御に寄与すること、核小体の形成に働くことを明らかとした。核小体はrRNA合成の場であることに加え、tRNAを含めたさまざまな非翻訳RNAを転写・加工してタンパク質と結合させRNA-タンパク質複合体を作るなど、いずれの細胞にとっても不可欠な大型装置として存在している。本研究成果によって、核小体の機能制御因子として新たにリンカーヒストンバリアントH1Tを見出すことができた。
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