V-ATPaseは真核微生物や植物において、液胞の生理機能に必要不可欠なプロトンポンプである。V-ATPaseの機能制御は液胞機能の改良・改変による分子育種への応用に繋がると期待され、その反応機構の解明が待望されている。本研究では、真正細菌である腸球菌のナトリウム輸送性V-ATPaseをモデル酵素として、V-ATPaseの構造と反応機構に関する基本的情報の獲得を試み、V-ATPase膜内在性ローターリングを形成するNtpKサブユニットにおいて、細胞質側ループ領域に存在するE50残基が、本酵素活性において重要な役割を果たす可能性を示した。
|