遷移金属錯体を用いるα-ジアゾカルボニル化合物とアルケンとの不斉シクロプロパン化反応は、光学活性シクロプロパン誘導体の有力な合成法のひとつである。近年、Hansenらはα-ハロ-α-ジアゾアセタートを用いた高ジアステレオ選択的分子間シクロプロパン化反応を報告しているが、殆ど不斉誘起は見られなかった。 Rh2(S-TBPTTL)4存在下、α-ブロモ-α-ジアゾアセトフェノンとスチレンとのシクロプロパン化反応を行うと、完璧なジアステレオ選択性で目的物が85%の不斉収率で得られた。また、塩素原子で置換したα-クロロ-α-ジアゾアセトフェノンを基質とした場合、不斉収率は91%に向上した。
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