本研究では、尿試料におけるタンパク質構成アミノ酸のD体及びL体含量を網羅的に個別解析可能な専用装置の開発を達成した。また、質量分析計を検出器として導入し、尿由来の夾雑成分の影響をほとんど受けずに尿中キラルアミノ酸含量解析が可能な高性能分析装置を構築した。開発した装置を用いて、ヒトおよびマウス尿試料において様々なD-アミノ酸の存在を明らかにした。虚血再灌流腎障害モデルマウスにおける尿中キラルアミノ酸メタボロミクスを行い、D-アスパラギン、D-セリン、D-アラニン、D-プロリン等8種のキラルアミノ酸が腎障害マーカーとなり得る可能性を示した。
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