LC/ESI-MS/MSによる微量定量分析では,「検出感度改善」と「精度・正確度を確保するための内標準物質 (IS) の入手」が常に大きな課題となる.本研究ではこれらを一気に解決する独自の化学ツールとしてESI増強重水素標識 (EEDL) 誘導体化法を提案し,カルボキシ基用,共役ジエン用など官能基・特異的構造別のEEDL試薬の開発とその実用性の評価を行った.申請者が開発したEEDL試薬を用いることで,これまで最適なISが入手困難であった化合物でも本誘導体化により,高感度かつ精密定量が可能となるため,今後,多くの微量化合物の分析への応用が期待される.
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