本研究では、複数のロタウイルスが発現するウイルス結合糖鎖を解析し、ウイルス株の種類によって、結合糖鎖が大きく異なることを明らかにした。さらに、ウイルス発現糖鎖の解析に取り組み、ウイルス発現糖鎖プロファイルが従来報告されているものに比べて、複雑であることを明らかにした。この結果は、ロタウイルス表面糖鎖が変化に富むものであることを示唆している。また、ウイルス結合糖鎖及び発現糖鎖の解析は、ウイルスの識別に有用であることを示すものであると考えられる。さらに、ウイルスサーベイランスへの応用を期待し、ウイルス結合糖鎖とウイルス発現糖鎖の情報を簡易に且つ、同時に取得できるデバイスの開発を行った。
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