ピラルビシン(THP)は他のアントラサイクリン系薬物と比較し高い細胞内取り込み、細胞傷害性を示した。さらにHPMAポリマーを用い高分子化し、P-THPを作成し検討したところ、他の高分子化アントラサイクリンと比較し、P-THPは細胞内取り込みおよび細胞傷害性とも優れていた。P-THPは高い腫瘍集積性、抗腫瘍効果を示し、重篤な副作用を起こさず、S-180腫瘍の完全消失、ヒトすい臓がんモデルの腫瘍縮小をもたらした。 これらの結果より、P-THPは腫瘍への選択的集積性、高い細胞傷害性を示すことが示され、すい臓がんなどの固形癌に有効であると考えられる。
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