研究課題
研究期間全体を通した成果としては、放射線に応答して、内包する生理活性物質の機能制御が可能なX字型の架橋剤を合成し、放射線応答性ソフトナノ粒子(γ-PARCEL)を調製し、放射線照射によって内包物の放出を制御することに成功した。さらに、ソフトナノ粒子であるPARCELゲルにソリッドな粒子である量子ドットを包含させたところ、生体内での動態が変化し血中滞留性の向上に成功した。さらに、腫瘍近傍にエレクトロポレーションを行うことで、腫瘍への蓄積が向上することを示した。エレクトロポレーションによって以前は最大24時間程度の腫瘍への滞留を48時間以上に伸ばすことに成功した。最終年度には、PARCELゲルを用いて生体内での実際に送達とMRIによる確認にも挑戦した。f) 『動態を高感度で観察可能なMRIプローブ』を加えγ-PARCEL粒子の認識性を向上さ、生体内部での造影を行った。実際に担がんマウスを用いて、腫瘍へγ-PARCEL粒子を用いた抗がん剤の送達を行い、量子ドットの高度な集積に成功した。さらに、MRI造影剤をナノ粒子に包含することで、MRI造影剤から炎症を引き起こす金属イオンの漏出が低減することを発見し、それをラットに応用して、膝の関節腔から投与することで、侵襲を抑え、投与したγ-PARCEL粒子が標的とする組織ではっきり観測できることを示した。今後は、この方面でも展開することで、より汎用的かつ安全に利用が可能なナノ粒子プローブとしても発展が期待できる。
新聞取材記事
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分析化学
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Anticancer Res,
巻: 36 ページ: 4601-4606
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00428343/0/106