ポリアミンは、主としてRNAと相互作用し細胞増殖因子として働く。ポリアミンにより、翻訳レベルで合成促進をうける細胞増殖や生存率維持に必要な蛋白質をコードする遺伝子群は、ポリアミンモジュロンと命名されている。大腸菌では酸化ストレス下、真核細胞では細胞増殖に関わる蛋白質を同定し、ポリアミンの細胞増殖・生存率維持に果たす役割を明確にした。 大腸菌における酸化ストレスの除去に関して、ポリアミンはSoxR、EmrR及びGshAを翻訳レベルで合成促進し、生存率維持に寄与することを明らかにした。真核細胞の翻訳伸長因子eEF1A遺伝子をポリアミンモジュロンと同定し、eEF1Aの合成促進機構を解明した。
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