肝細胞増殖因子(HGF)は傷害に応じてその産生が高まる一方で、炎症性細胞由来のプロテアーゼに消化されHGFβ鎖(HGF-β)を生じる。本研究では、HGF-βがマンノース受容体(MR)を介して、マクロファージ(Mφ)からのIL-10産生をIL-4依存的に高めることを明らかにした。HGF-βはJAKタンパク質の活性化を高めSTAT3チロシンリン酸化を増強するほか、p44/p42 MAPKの活性化亢進を介したSTAT3セリンリン酸化によりSTAT3の核内移行を助けることでIL-10産生を誘導した。本研究の結果、HGF-βはMφに作用し、IL-10産生を介して炎症制御をもたらす可能性が示唆された。
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