私達は細胞内の標的タンパク質を選択的に分解する化合物であるSNIPERの開発を行っている。本研究では、微小管制御タンパク質であるTACC3を標的としたSNIPER(TACC3)をデザインし合成した。SNIPER(TACC3)は細胞内でTACC3のユビキチン化とプロテアソームによる分解を誘導すること、SNIPER(TACC3)は正常細胞と比較してTACC3を高発現している癌細胞に対して選択的にアポトーシスやパラトーシス様の細胞死を誘導することを明らかにした。また、SNIPER(TACC3)とプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブを併用すると様々な癌細胞株で相乗的な細胞死が誘導されることを見出した。
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