重篤な疾患を引き起こすウィルスは数多く存在するが、抗ウィルス治療薬の充足率は決して高くない。私はこれまでに酸化コレステロールである25ヒドロキシコレステロール(25OHC)が宿主細胞の生存に影響を与えずに、ウィルスの複製を抑制することを見出している。本研究では、宿主細胞における25OHCの受容機構、そしてそれに伴うストレス関連遺伝子の発現誘導機構を解明した。本結果は25OHCの持つ抗ウィルス作用の分子機構を明らかにすると共に、25OHCを基盤とした新たなウィルス治療薬開発の可能性を提示するものである。
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