本研究では、ERMタンパク質を標的とした新しい創薬基盤の創出を目的としている。Moesin (Msn)が、ミクログリアにおいて炎症性サイトカインtumor necrosis factor αの放出機構およびERM binding protein 50 (EBP50)を介して誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)と相互作用することを見出した。また、MsnノックダウンしたBV2細胞では、ファゴサイトーシス能が低下することを明らかにした。さらに、Msnノックアウトマウスにおいて、LPS投与によるミクログリアの活性化が減弱した。以上の結果より、Msnを標的とした創薬研究の基盤になる可能性が示唆される。
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