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2014 年度 実施状況報告書

難治性気道炎症疾患におけるSIGIRR発現・機能調節の分子基盤とその治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 26860062
研究機関崇城大学

研究代表者

首藤 恵子  崇城大学, 薬学部, 助教 (70510692)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード嚢胞性線維症 / SIGIRR
研究実績の概要

嚢胞性線維症 (CF) は,多くの患者で治療法のない難治性遺伝性疾患であり,その病態形成に呼吸器感染症とそれに伴う慢性炎症が重要な役割を担う.申請者は,長年,CF治療法解明のために,原因遺伝子CFTRの細胞内輸送制御機構に着眼し,また,一方で,CFをはじめとする慢性炎症の理解の観点から,Toll-like receptors (TLRs) の負の調節因子に着目して,種々の研究を行ってきた.本研究では,いまだ適切な炎症治療法のないCFの呼吸器疾患に対し,SIGIRRを標的にした治療法を提起する世界初の試みを行い,実現性の高いCF炎症調節薬の開発を最終目標として掲げ研究を遂行する。本研究課題において具体的に実施する研究内容は以下の2点である。まず一つ目は、CF気道モデルにおけるSIGIRRの発現低下機構の解明、二つ目はCFにおけるSIGIRRの新規内因性リガンドIL-37の役割の探索とIL-37を用いたCF治療法の妥当性の評価を行う。
当該年度は、一つ目のテーマであるCF気道モデルにおけるSIGIRR発現低下機構に関して検討を行った。まず、正常およびCF気道上皮細胞におけるSIGIRRのmRNA発現量を細胞株および初代培養細胞の両方を用いて検出した。その結果、全てのCF細胞におけるSIGIRR mRNA発現量は、正常細胞と比較して顕著に減少していた。更にその発現減少は、CF細胞におけるSIGIRR mRNAの安定性低下に起因するものではないことを確認した。
次にSIGIRRのプロモーター活性を正常およびCF細胞間で比較するために、ヒトSIGIRRのプロモーター領域1kbpを組み込んだルシフェラーゼプラスミドを細胞株および初代培養細胞の正常・CF細胞のペアに導入し、プロモーター活性を測定した。その結果、正常およびCF細胞間でSIGIRRプロモーター活性の差異は検出されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

妊娠出産で研究を一時中断していたため。

今後の研究の推進方策

ヒトSIGIRRのプロモーター領域1kbpを用いた検討では正常およびCF細胞間でのプロモーター活性に変化が見られなかったことから、更に長鎖のプロモーター領域をクローニングし、1kbpより上流のプロモーター領域が活性にどのように影響を与えるのか両細胞間で比較する必要がある。
またSIGIRR蛋白質の安定性についても正常およびCF細胞で比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

妊娠出産で一時研究を中断していたため未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度は初代培養細胞も積極的に使用し、より精度の高い研究を実行する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Lipopolysaccharide Decreases Single Immunoglobulin Interleukin-1 Receptor-Related Molecule (SIGIRR) Expression by Suppressing Sp1 via TLR4-p38 pathway in monocytes and neutrophils2014

    • 著者名/発表者名
      Keiko Ueno-Shuto, Kosuke Kato, Miki Sato, Keizo Sato, Hiromichi Sakai, Tomomi Ono, Mary Ann Suico, Yuji Uchida, Naofumi Tokutomi, Hirofumi Kai, and Tsuyoshi Shuto
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 289 ページ: 18097-18109

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.532093.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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