研究課題
野生植物の産生成分には多くの場合種内多様性が存在し,同じ種であっても異なる集団間あるいは異なる個体間では成分組成も異なる.このメカニズムを解明し,植物由来天然物のバリエーション拡大に応用することを目的として,平成27年度は,Eupatorium属およびFarfugium属植物を中心とした種内多様性研究と植物細胞培養を行った.前年度までにE. heterophyllumにおいて3種のケモタイプの存在を見出したが,地理的環境との相関は認められなかった.そこで,3箇所の塩基配列(核のITS領域,葉緑体のatpB-rbcL領域およびtrnL-rpl32領域)を解析し,クラスター分析を行ったところ,分類結果はケモタイプとよく一致した.さらに,本植物10試料より得た計21種の新規化合物について細胞毒性活性試験を行い,うち2種がHL-60細胞に対してpositive controlのマイトマイシンCに匹敵する活性を示した.いずれの化合物もマイナーなケモタイプの試料より微量成分として得られたものであった.一方,F. japonicumからは8種の新規セスキテルペノイドを得た.このうち1種は1つの試料の主成分であり,種内多様性を評価する上での重要な指標化合物になり得ると考えられた.本成分の変動に関与する因子の同定のため,F. japonicumから誘導したカルスの各種条件下での培養に着手した.その他,本邦各地にて採集した3種のEupatorium属植物(いずれも成分報告例なし)から8種の新物質を得るなど,研究期間を通じて49種の新規化合物を含む計150の化合物を単離した.
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