• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

トリテルペン生合成を制御する米含有成分の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860070
研究機関星薬科大学

研究代表者

若菜 大悟  星薬科大学, 薬学部, 助教 (80700129)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードMalbranchea filamentosa / 真菌 / 二次代謝産物産生能
研究実績の概要

今回、Malbranchea filamentosa の産生するトリテルペンを誘導する米培地含有成分の探索を行うため、すでに誘導活性が確認されているクロロホルム画分の分画を行った。まず、LH-20 を担体としたカラムクロマトグラフィーに負荷し、10 画分を得た。この時、Hexane-CHCl3 4:1、CHCl3-Acetone 4:1、2:3、Acetone、MeOH を移動相として用いた。得られた各分を M. filamentosa に添加培養し、トリテルペン産生誘導活性を確認した所、5、6 及び 7 画分に活性が確認されたため、次にこれらの画分の精製を試みたが、含有量が少なく、構造決定に至らなかった。そのため、低分子化合物を多く含むと思われる市販の米油を購入し、誘導活性を確認した所、活性が確認されたため、これを用い、精製を行った。米培地の場合と同様に精製後、順相の HPLC を用い、誘導活性物質の単離、精製を試みたところ、活性画分に共通した物質が観測された。本物質の 1H-NMR スペクトルを測定した所、d3.60 (dd, J=5.9, 11.7 Hz)、d3.70 (dd, J=3.4, 11.7 Hz)、d3.93 m、d4.25 (dd, J=6.2, 11.7 Hz)、d4.21 (dd, J=4.8, 11.7 Hz) というグリセロール残基に特徴的なピークが観測された。また、高磁場領域に脂肪酸由来と考えられるピークが観測されたことから、本物質はアシルグリセロール構造を持つと決定された。脂肪酸領域のピークのカップリングパターンから本物質は単一ではなく、脂肪酸部分が異なる二種以上のアシルグリセロールの混合物であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Malbranchea filamentosa のトリテルペン産生能を誘導する米培地の含有成分の探索を試みたが、培地に含有される物質量が想定より微量であり、他のリソースとして、米油を手配した為。また、活性本体はアシルグリセロールと考えているが、現在、わずかに異なる脂肪酸を部分構造に持つと考えられる複数のアシルグリセロールが混在しており、単離、精製が難航した為。

今後の研究の推進方策

今後も活性本体と考えられるアシルグリセロールの単離を試みるが、良い結果が見られない場合、エステル結合を開裂し、得られた脂肪酸を分析することにより脂肪酸部分の同定を行う予定である。
平成27年度に予定している M. filamentosa の産生するトリテルペン産生誘導物質の大量入手は、現在アシルグリセロールが活性本体と目されていることから、グリセロールと脂肪酸部分をエステル結合することにより入手可能であり、大量入手は比較的容易と考えられ、平成26年度の遅れは十分挽回できると考えている。

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi