研究課題/領域番号 |
26860070
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
若菜 大悟 星薬科大学, 薬学部, 助教 (80700129)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 米 / トリテルペン産生誘導 / Malbranchea filamentosa |
研究実績の概要 |
Malbrancheoside 類の産生を誘導する米中の物質の探索を目的に、米抽出エキスを水と各種有機溶媒で液々分配したクロロホルム画分を単離、精製し、複数種の脂肪酸と共に、1H-NMR スペクトルにおいて、芳香族領域に複数のピークが存在する物質が単離された。 また、本実験を遂行する上で重要になる malbrancheiside 類標品の探索の過程で、2 種の新規物質 (1, 2) が得られた。1 は各種機器データの解析結果から、M. filamentosa から単離されている furanone 誘導体 malbrancheoside B の類縁体と決定された。2 は Eurotium chevalieri からの単離が報告されている chevalone A 誘導体であり、糖として N-acetyl-6-O-methylglucosamine が結合している構造と決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
米が含有する malbanchoside 類産生誘導物質の単離は達成したが、構造決定には至っておらず、進行状況は当初の予定より遅れている。また、malbrancheoside 類の生合成遺伝子の探索は、達成できていない。これは M. filamentosa の生合成研究及び malbrancheoside 類及びその類似構造を持つ物質の生合成遺伝子研究が行われておらず、効率的な実験計画が立案できなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
米が含有する malbanchoside 類産生誘導物質の単離は達成した。しかし、本物質は極めて含有量が少ない物質であり、抽出方法、抽出対象を検討したが、獲得量の増加は認められず、構造決定には継続した米抽出物の分離操作が必要になる。また、malbrancheoside 類類似物質の生合成研究はこれまで行われておらず、その生合成遺伝子の探索は難航している。そのため、次年度は当初予定していた、malbrancheoside 類産生誘導物質を添加し発現する遺伝子を探索するだけではなく、変異株の作製を行い、生合成遺伝子の探索を行う予定である。
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