本研究は、活性化マクロファージ特異的に作用する制御物質の探索とその作用機構の解明を目的とし、進めてきた。その結果、紫根に含まれる成分、シコニンやその誘導体を候補物質として同定した。つまり、マクロファージの活性化剤であるリポポリサッカライド(LPS)やシコニン単独では、マクロファージの生存に影響を及ぼさない濃度において、これら両者を併用することで、細胞障害が誘導された。さらに、本障害機構を解析した結果、アポトーシスを介した細胞障害であることが示唆された。本結果は、シコニンやその類縁体には、活性化マクロファージを標的とした、新規の抗炎症作用を有していることを示している。
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