右手と左手の関係にある化合物(エナンチオマー)は、物理的性質が同じであるため見分けることや分離することが難しい。これまでお茶の主要成分である(-)-エピガロカテキン-3-O-ガレート(EGCg)が、カフェインをはじめ多くの物質を捕捉することを明らかにしてきたが、本課題ではエナンチオマーを見分け、さらに分離するツールに応用できるのではないかと考え研究を行った。カフェインと同程度の大きさの化合物ジケトピペラジンCyclo(Pro-Gly)、また狭心症や不整脈の治療薬として用いられるβ遮断薬プロプラノロールについて検討したところ、EGCgがこれらのエナンチオマーを見分けることを明らかにした。
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