研究課題
イネ由来のハウスキーピング遺伝子Actin 1プロモーターは、イネなど単子葉植物の遺伝子組換え(GM)作物の開発に汎用されている。発芽前、特に乾燥状態の種子中の遺伝子発現は不活性化されており遺伝子発現が休眠状態にある。Actin 1プロモーター上のシトシンのメチル化は遺伝子発現制御に大きくかかわっている可能性がこれまでの研究より明らかとなった。また、そのメチル化パターンは発芽時に大きく変動することを示唆するデータを得た。そこで、本年度では、イネ種子より通常条件下(28℃, pH5.7)で発芽させた種子よりカルス細胞を得て再分化後7週間までのサンプルを採取してActin 1プロモーターのDNAメチル化に関する解析を中心に行った。カルス細胞を採取する種子は、野生型イネ(日本晴品種)およびActin 1プロモーター制御下でGFPを発現させるコンストラクトが導入されたGMイネ(日本晴品種を基に作成)を使用した。Actin 1プロモーターのDNAメチル化修飾パターンを導入型(GM)と内在型(非GM)とで比較した。
3: やや遅れている
本年度はイネ種子からカルス培養を行い、カルス細胞の再分化誘導を行うプロトコルを立ち上げた。カルス細胞からの再分化誘導後、最大3か月間イネを育成させる必要があった。今後は、初年度に立ち上げたカルスからの再分化プロトコルに従って、様々な環境下で育成させたイネより抽出したゲノムDNA上の内在性遺伝子ActIプロモーターのDNAメチル化パターン解析を行っていく予定である。
初年度に立ち上げたカルスからの再分化プロトコルに従って、温度(20℃又は37℃)、pH(4.5又は8.0)、浸透圧(マンニトール3%又は8%)、紫外線照射(有又は無)で再分化誘導させたカルス細胞中の内在性遺伝子ActIプロモーターのDNAメチル化パターンを解析する。その際には、actin 1プロモーターのDNAメチル化修飾パターンを導入型(GM)と内在型(非GM)で比較するため多変量解析する。
カルス培養及び再分化誘導栽培に時間がかかり、研究対象試料の調製が遅れ、解析が当初の計画よりも遅れてしまった。
本年度は研究対象試料の準備が整ったため、バイサルファイトシーケンシングに必要な試薬代とシーケンシング代に昨年度支出予定分を追加で支出する。リアルタイムPCR用のプライマープローブが高価なため、最終年度に購入を予定している。
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