本研究では、小腸コレステロールトランスポーターとして知られているNPC1L1 (Niemann-Pick C1-Like 1)に着目して、その基質候補となる可能性がある脂溶性食品成分の吸収改善が可能かどうかを検証した。その結果、NPC1L1を介して乳剤ミセル粒子ごと細胞内へ取り込まれる可能性が示された。また、その機構を利用して難吸収性を示すコエンザイムQ10の吸収改善に成功した。さらにNPC1L1の基質として知られているαトコフェロールのNPC1L1阻害剤エゼチミブの影響について検証し、αトコフェロールとエゼチミブの投与間隔をあけることで、エゼチミブによる吸収抑制を回避できることが示された。
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