研究課題
一部の肝消失型薬物は、その血漿中からの消失が腎障害患者において遅延する。この原因として、まず慢性腎障害患者の血漿中に存在する一部の尿毒素物質による肝輸送体OATP1B1の直接的な阻害について、前年度に引き続き検討した。ヒト初代培養肝細胞においても、尿毒症物質によるOATP1B1のlong-lasting inhibitionが生じた。また、ヒト初代培養肝細胞に、慢性腎障害患者血漿または血漿中と等濃度の尿毒素を添加したところ、複数の肝膜輸送体のみならず、薬物代謝酵素のmRNA発現量が変動した。この初代培養肝細胞におけるmRNA発現量変動をSN-38のPBPKモデルに組み込むことで、慢性腎障害時の血漿中SN-38濃度上昇のシミュレーションを可能にした。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
J. Pharm. Sci.
巻: 105 ページ: 1779-89
10.1016/j.xphs.2016.02.023.
Pharm. Res.
巻: 33 ページ: 269-282
10.1007/s11095-015-1785-0.
http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~bunyaku/