一部の肝消失型薬物は、血中消失が慢性腎障害患者で遅延し、この原因として患者血漿中で蓄積する一部の尿毒素による肝膜輸送体のdirect inhibitionが報告されているが、他の尿毒素による阻害やdirect inhibition以外の作用は未解明である。本研究では、p-cresyl sulfateによる肝膜輸送体OATP1B1のdirect inhibitionとindoxyl sulfateによるOATP1B1のlong-lasting inhibitionを明らかにした。本研究で明らかになった阻害作用は、慢性腎障害時におけるOATP1B1基質薬の血中消失の遅延を一部説明しうるものである。
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