トファシチニブは関節リウマチ治療における分子標的薬として初めての経口投与製剤である。本研究計画ではトファシチニブの個別化投与指針構築を目指し、これまでの関節リウマチ分子標的薬の主流であった注射剤では障壁とならなかった経口投与時の消化管吸収に関与するトランスポーターの影響を評価した。 本研究期間においては、高速液体クロマトグラフ法による定量法の構築に加え、トランスポーター発現細胞系を用いた薬物輸送実験により、P-糖タンパク質(P-gp)や乳癌耐性タンパク質(BCRP)の基質となることを見いだした。さらに本薬剤投与患者を対象とした薬物血中濃度及びトランスポーターの遺伝子多型解析を実施している。
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