分子標的治療薬による皮膚障害の発症機構としてSTAT3の活性変動に着目し、発症メカニズムに基づいた皮膚障害予防・治療法をin vitroで探索することを目的とした研究を実施した。HaCaT細胞においてソラフェニブによるSTAT3のリン酸化低下に抵抗する化合物のスクリーニングにより、P-VC-MgおよびPGE1を選定した。両化合物はSTAT3を介したアポトーシスの誘導に抵抗し、皮膚3次元モデルにおいても両化合物の皮膚障害に対する有用性が認められたため、これらの化合物が分子標的治療薬による皮膚障害の治療薬または予防薬として適応可能であることを示唆した。
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