本研究では、食物アレルゲンの消化管吸収と感作におよぼす運動負荷とアスピリンの影響について解明することを試みた。その結果、アレルゲンに感作した際には正常時よりもアレルゲンの吸収が増加し、アスピリンを処置した時には細胞間隙輸送を介した吸収がさらに増加することで、重篤なアナフィラキシー症状が惹起されルことを明らかにした。一方で、クロモグリク酸ナトリウムはマスト細胞依存的なアレルゲンの吸収を抑制し、アレルギー症状の誘発を抑制することが示された。さらに、アスピリンは臨床投与量で食物アレルゲンの感作を増加させた。これらの結果は、FDEIAの病態解明や新たな予防法・治療法の開発につながるものと期待される。
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